1.発端
牧野富太郎先生が生前、足摺地方の植生調査に出向いたおり、海岸林の中に珍しいヤマザクラを見つけ、「アシズリザクラ」と命名し、世に出そうということになったものの他界し、「幻のアシズリザクラ」になったという言い伝えを最近になって知人から耳にした。
この信憑性を確かめたくて、牧野文庫にある牧野富太郎の日記や初代園長さんにお話しを聞いたものの古い話で確証が得られませんでした。
しかし、様々な文献を調べたなかで、
・高知県の植生と植物相(山中二男著)
・高知県西南諸島学術調査書(昭和57年3月 山脇哲臣)
の中に「幻のアシズリザクラ」を思わせる記述がありました。
2.「幻のアシズリザクラ探索」
「これは面白い」ということになって、我々でその「幻のアシズリザクラ」を見つけようということになり、大月町の海岸沿いを中心に探索を行いました。
平成15年3月下旬、総勢10数名で白いヤマザクラを求め、一切から大堂海岸一帯(西ルート)、周防形から大浦一帯(南ルート)を駆け巡りました。
3.清王サクラ発見
その結果、平成15年3月24日、清王の小高い丘の上に大きなヤマザクラを発見。その他、数本の白いヤマザクラを見つけました。
4.長沢サクラ発見
平成17年3月には、清王サクラと同種のアシズリザクラの巨木が長沢にあると聞き、急きょ見に行きました。
この長沢サクラもまさに「幻のアシズリザクラ」と同種のものでした。

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